クラビットに対する耐性菌が増えている理由

2019年12月01日

以前はクラミジアや淋病の第一選択薬として用いられてきたクラビットですが、耐性菌が増えているため近年薬が効かないという場面がでてきています。
クラビットは様々な菌に対して有効な薬であるため幅広い病気の治療に使われていることが耐性菌が増えている理由です。
感染症に対して抗生物質を使うと、菌は薬に対して耐性を持ってしまうため薬の効かない菌が増えてしまいます。
治療する上で薬を使わなければならない状況ではあるものの、薬を使うほど耐性を持つ菌が増えるという悪循環が生まれているのです。

もし、薬に対する耐性を持っている菌に感染してしまった場合の治療はどうなるのでしょうか。
耐性菌に感染してしまった場合の治療には、他の効果があるとされる抗生物質を利用していきます。
しかし、他の薬も同じで別の薬に対しても耐性を持っている可能性もあります。
その場合は再び別の薬を利用して治療を行わなければなりません。
また、耐性菌の治療で大変な点は薬の効果が得られるかどうかは使ってみなければ分からないという点です。
様々な抗生物質に対する耐性を持っている菌に感染してしまった場合は治療期間が数か月から数年に及んでしまうこともあります。

そして、更に恐ろしいのは現存する抗生物質が全て効かない耐性菌が生まれているということです。
最近では淋病の治療で有効とされる薬が全て効かなかったという例がありました。
淋病やクラミジアは完治しないままでいると男女共に不妊の原因になりますし、妊娠中の方の場合は早産・死産のリスクを高めます。
また、産道を通して赤ちゃんに母子感染するリスクもあり、感染した場合は気管支炎や肺炎を起こしたり、新生児結膜炎を患ってしまうことがあります。
新生児結膜炎は最悪の場合、失明の危険もある恐ろしいものです。

このように治療が困難である耐性菌を増やさない対策は自己判断で薬を服用することや、服用の中止をするのを控えることです。
自己判断で薬を服用すると本来必要のない症状であっても飲んでしまっている可能性があります。
必要ではないのに服用することは無駄に耐性菌を増やしてしまうことにつながります。
感染症の治療においては原因菌を体から完全に死滅させることが必要ですが、自己判断で服用をやめてしまうと完治できないだけではなく耐性菌を作る原因となります。
耐性菌が増えている状況で製薬会社も新たな薬の開発は進めていますが、現在のところ耐性菌が出来たら新たな薬をつくるといういたちごっこの状態です。
全ての薬が効かなくなってしまうと様々なリスクを伴うため薬の服用は医師に相談の上で慎重に行うようにしましょう。

クラビットは幅広い範囲で使える

クラビットは性病である淋病やクラミジアの他にも幅広い病気の治療に用いられる薬です。
それが、耐性菌を増やしている原因でもありますが、性感染症以外にも結核の原因である抗酸菌や肺炎球菌、緑膿菌などの菌にも有効です。

結核の原因菌は抗酸菌以外の菌もありますが、いずれの菌にたいしても効果があるとされています。
しかし、抗酸菌の場合には有効な薬が限られているためクラビットは貴重な存在です。

しかし、結核の治療はクラビットのみでは行うことができません。
複数の菌が原因となる結核は薬も数種類組み合わせて最低でも6か月の治療をしていくものです。
また、有効な薬であるもののクラビットは結核の治療を行っていない状態で服用すると有害になることもあります。
無自覚で感染している場合にクラビットを飲んでしまうと危険ということです。
そのため、クラビットを自己判断で飲むのは控えるようにしましょう。

結核の他にも肺炎の原因となる肺炎球菌や緑膿菌に有効な薬です。
緑膿菌は感染力は強くないものの免疫力の低下した人に感染しやすい菌で、感染してしまうと薬が効きにくく治療が難しいのが特徴です。
このような緑膿菌にもクラビットは効果があります。

クラビットが幅広い範囲で治療に用いられるのは様々な菌に有効であるという以外にも飲み薬であるのも理由です。
治療を行う際に点滴の薬しかない場合、通院での治療は難しく必ず入院しなければならなくなります。
入院すると体力低下などのデメリットがあるため、治療方法の選択肢があるというのは大きなメリットです。
このように耐性菌ではない場合の治療において、クラビットは有効な薬が少ない菌にも効果のある貴重な薬です。
耐性菌を増やさない対策として自己判断での服用を控えるほか、医師に処方された場合は何に対して処方したのか確認をきちんととると良いでしょう。

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